VISIT連載企画 医療人。第三回|訪問看護ステーションの転職&見学 求人情報サイト「VISIT」VISIT連載企画 医療人。第三回

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どうもこんにちは、VISITの甲斐です。
いよいよ6月に入り、2020年もそろそろ半分という時期になってきましたね。
今年が始まってすぐのころにはVISITの立ち上げなどで動き出していましたが、まさかコロナウイルスで世界中がここまで大事に見舞われるとは思いもしませんでした。

あまり早々に来年のことを言うと鬼に笑われてしまいそうですが、それでも「あの時は大変だったね」と皆で笑い話が出来れば良いなと思ってしまいますね。

さて、本日はご好評をいただいている医療人。の第三回をお届けいたします。
今回のテーマは「訪問看護における利用者のアセスメント方法」についてとなります。
実際の事例をもとに、訪問看護ではどうやって利用者の方へのアセスメントを深めていくかをご説明頂きます。

医療人。第三回、お楽しみください。
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インタビュアー

ライター 甲斐 博之
大学卒業後、食品会社で勤務し、知人の紹介により訪問看護ステーション、在宅医療のクリニックを運営する法人に入社。看護師を中心とした医療介護職の人材紹介業務の立ち上げに関わり、同時に法人の採用や広報を担当する。訪問看護との関りが多く、その中で患者さま、看護師それぞれの立場でお役に立てないかと思い訪問看護ステーションの求人に特化した「VISIT」を立ち上げる。

インタビュアー

執筆者 訪問看護ステーション管理者 太田(仮名)
東京都内で訪問看護ステーションの管理者を行っています。現在は訪問看護を中心に、自身の経験などを通じて多くの従事者や、医療介護の現場を知らない人たちにも情報や思いを届けたいと思い執筆活動などを行っています。
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訪問看護における利用者のアセスメント方法

認知症の方の在宅での口腔ケアについて(事例紹介)
どうもこんにちは、看護師の太田(仮名)です。

早いものでもう6月になりますね。
今年は6月の中旬頃から関東では梅雨入りとの予想が出ているようです。訪問看護や訪問介護などのスタッフにとっては雨が続く時期というのは少々働きづらさを感じる時期ではありますが、皆様はいかがでしょうか。

さて、コラムの執筆を続ける中でVISITさんから訪問看護ならではの利用者様へのアセスメントってあるの?というご質問を頂いたので、今回は私なりに訪問看護ならでは利用者アセスメントをお伝えさせて頂こうと思っています。

ちなみに今回は少し図なども入れながらご説明させて頂こうと思います。
新しい試みですが、皆さんに楽しんで頂ければと思います。
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事例 Aさん(80代女性・独居生活)

【基礎疾患】
 ・アルツハイマー型認知症(長谷川式認知力テスト:10点)
 ・脳梗塞既往歴あり/誤嚥性肺炎既往あり
 ・C4の歯が数本あるのみ。舌苔を認める。
 ・自分自身での歯磨きは数秒で終わってしまう。
 ・家族からの歯磨き誘導に対しては、特に拒否が強い。

【介護度や各種サービス導入状況】
 ・要介護1
 ・週3回:通所介護/週2回:訪問介護/週1回:訪問看護
  (※週1回遠方より長女が来る)


【Aさんの抱える課題】
・独居生活であり、歯磨きをすること自体を忘れている。
・歯磨きの声掛けをしてくれる人がいない。
・家族に対しては、介護者や医療者に対する態度よりも拒否が強まる。
・口腔内環境が劣悪なため、口腔機能低下 と 肺炎の再燃リスクあり。
・歯肉出血がある。

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基礎疾患、介護度や各種サービスの導入状況、Aさん個人の課題など様々な角度からAさんの置かれた状況を考えてみましょう。

病院でのアプロ―チとは目線を変えて、こうした課題を持つ方に訪問看護師としてどのようなアプローチをする必要があるでしょうか?

訪問看護師の具体的なアプローチを一緒に見ていきましょう。
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訪問看護師のアプローチ
Aさんの苦痛・拒否はどこにあるのかを考察する

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アプローチの後に、以下の確認を実施
☑ 本人やご家族に、これまでの歯磨きの習慣について確認
☑ 歯磨きではなく開口を促し、異常の有無、開口保持時間を確認
☑ 本人に洗面所に行って頂き、歯磨きの場所を確認
☑ 目でみて、自らの意思でなら苦痛なく取り組めるのかを確認
☑ 使用している口腔ケアグッズが不快になりそうな素材でないかを確認
☑ 介助により口腔ケアを行った後に、不快ではなかったかを本人に確認
【アプローチの結果わかったこと】
開口を促す際に、歯を隠す仕草が毎回見られる。→残歯が少ないことに羞恥心があるようである。
舌苔があり、口腔内の汚染を見られたくない様子がうかがえる。
時期は不明だが、長い期間歯磨きを行う習慣がなくなっていた。
歯肉異常は軽度であり、痛みや沁みる感覚はほとんどない様子である。
こたつでの生活。廊下が寒いため、トイレ時以外は動くのが億劫。
朝食後だと、一連の流れで洗面所に向かうことが可能であった。
アプローチの結果、口腔ケア拒否の理由は一つではないと判明

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Aさんの表出した態度や状況を観察し、ご家族や周囲のかかわりのある方からの情報を合わせてAさんという一人の人間を深堀していくことで、今ある課題への解決策を見つけ出していくことが重要なんですね!

病院と違い、治療だけを目的にせず、利用者さんの人となりに触れ、生活を支えていく点は訪問看護師だからこそできるアプローチではないでしょうか!
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他のサービス提供事業所との連携
他事業所と情報共有し、ケアの統一を図ることによって口腔ケアの介入を成功させていく
● 通所介護では昼食後に洗面所に向かい、歯磨きの習慣づけを実施→できた/できなかったをデイサービスノートに記載し情報共有
● 週2回のヘルパー訪問は朝食後とし、食後に洗面所に向かう習慣づけ。
● 週1回の訪問看護も朝食後とした。食後に洗面所に向かい、どこまで自力で磨けるのかを見極め、少しづつ介助させて頂く習慣づけ。
● ご家族には、認知力テストの結果を伝え、客観的なFAST分類での評価方法を用いて、現在のAさんの認知力を視覚的に把握して頂く。
本人からの促し拒否の際に、看護師がどのように対応・声掛けをしているかを実際に見て頂き、家族からの促し時の参考にして頂く。
ケアを行う際に大切にしたいこと
大切にしたいこと ケアを行う際のポイント
@不快なことは誰でも行いたくないということを理解する
認知力が低下している状況では、行動(歯磨き)の必要性を理解することが困難であったり、話を聞かれる事自体が不快な場合も多い。
どんなことなら不快にならないかの視点を持つ
A拒否がある場合の理由は、複数あると考える
この事例のように拒否理由は1つではありません。
今日は出来ても明日は同じ促し方が通用しないかもしれません。原因はこれであると決めてしまわず、言動、行動、介助者との関係性も注意深く確認しながら口腔ケアの習慣づけを試みる。
B自立か全介助かどちらかに分類することなく、できることを促しながら関わる 「できるから自分でやっています」「できるからやらせています」などと自立と見なされている事でも実際には効果的に行えていないことが多くある。
やっていることと出来ている事は違う。
認知力低下がある場合は、特に部分的な介助、効果判定、評価などを行う環境が必要
病院での患者アセスメントとの違いについて
ここまで読んで頂いて有難う御座いました。
読んで頂ければわかるように、病院での看護と異なり、毎日同じ時間に医療者が関わることが困難です。治療を行う、病気を治すというよりも生活習慣の中でできないでいることをできるようにする、という視点は在宅ならではのものではないでしょうか。

最後に、アセスメントを深めていく中で大切にすること
をお伝えできればと思います。

1.生活に目を向けて、原因を考察します。
2.認知症の方はとくに習慣化することに時間がかかります。
3.関わる在宅チーム・病院・ご家族などと情報を共有してできないことをできるように考察します。
4.声かけ、状況を統一し、混乱を避けます。
5.不快だと感じる関りは徹底して避けます。

この5つを押さえて訪問看護に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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