VISIT連載企画 医療人。第五回|訪問看護ステーションの転職&見学 求人情報サイト「VISIT」VISIT連載企画 医療人。第五回

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こんにちは、看護師の太田(仮)です。
少しお久しぶりの投稿になってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

緊急事態宣言が解除されましたが、また都内の感染者数がじわじわと増加しているようですね。
私たち訪問看護に携わる人間としても、決して他人ごとではない状況ではありますが、手洗いうがい、免疫力を高める食事や睡眠など、コロナ対策の原点に立ち返って自分を守りつつ、利用者さまの生活を支えていけたらな、と気を引き締めています。

さて、本日は訪問看護を受ける際の保険の適用区分についてのお話をさせて頂ければと思います。

訪問看護を受ける利用者様のご状況によって「介護保険」「医療保険」のどちらを適用してサービスを提供するか、または保険外サービスとしての自費利用という違いなど少し複雑な内容ではありますが、これから訪問看護師を目指す方にも、ご家族の訪問看護の導入を検討されている方にも読んで頂きたい内容です。

是非ご一読を頂ければ幸いです。
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インタビュアー

執筆者 訪問看護ステーション管理者 太田(仮名)
東京都内で訪問看護ステーションの管理者を行っています。現在は訪問看護を中心に、自身の経験などを通じて多くの従事者や、医療介護の現場を知らない人たちにも情報や思いを届けたいと思い執筆活動などを行っています。
訪問看護における保険の適用区分
まずは訪問看護を導入する際に適用される保険について説明していきます。
訪問看護の介入の仕方は、大別すると3種類の方法があります。
医療保険と介護保険、自費利用のそれぞれでルールが異なりますので具体的にお伝えいたします。

まずは下の図から保険の適用範囲ごとの特徴を見ていきましょう。
介護保険
医療保険
自費利用
利用可能な回数 利用回数に制限はなし
ご利用者に介護度に応じた支給限度額の範囲であることが条件
原則は週1〜3回まで 利用回数に制限はない
可能な時間数 1回の訪問時間は
@20分未満
A30分未満
B30分以上60分未満
C60分以上90分未満
介護度による差ではなく、訪問時間による区分。
1回の訪問時間は30分〜90分 利用時間数に制限はない
備考(上記項目の補足) 支給限度額は、そのご利用者が1か月に利用する介護サービス合計の限度額です。その為、訪問看護以外のサービスも受けている方は支給限度内に収まる回数のみとなるケースが多くなります。
通所介護などは、時間による料金差ではなく、介護度による料金差になります。
厚生労働大臣が定める疾病等のご利用者は、医師が必要性を認めた上で、週4回以上の利用も可能。
特別に重症な病気、症状の方は、医師が必要性を認めた上で、週1回まで1回90分を超える長時間利用も可能
2つの保険は似たような項目、加算になっていますが、料金計算時の単価等が異なります。
また、利用者によりそれぞれの保険の負担割合が異なります。
医療保険は1割、2割、3割の方がおり、介護保険は1割、2割の方がいます。
いずれの負担割合になるかは、医療保険はその方の年齢や所得、介護保険はその方の所得により決まります。
一定の条件を満たす場合に、負担割合を更に軽減する支援策などもあります。
訪問看護を利用する際の保険は、介護保険・医療保険のどちらを利用することになるのかの判断に迷う場合があります。
原則は、介護保険の認定を受けている場合には介護保険優先です。
以下のフローチャートを参考にしながらどちらの保険を利用することになるのかを判断します。

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介護保険は介護保険料を納めているだけではサービスを受けることはできません。
介護が必要になった時に、介護認定を申請し、要支援1〜要介護5のいずれかの介護認定を受ける必要があります。
介護保険認定者で 65歳以上 :第1号被保険者 といいます。
40歳~64歳 :第2号被保険者 (第2号被保険者は特定疾病が原因で介護が必要のみ認定されます。)
医療保険 介護保険
1 末期の悪性腫瘍 癌末期
2 多発性硬化症 後縦靭帯骨化症
3 重症筋無力症
関節リウマチ
4 スモン
筋萎縮性側索硬化症
5 筋萎縮性側索硬化症
骨折を伴う骨粗鬆症
6 脊髄小脳変性症 多系統萎縮症
7 ハンチントン病 初老期における認知症(ア ルツハイマー病、脳血管性認知症等)
8 進行性筋ジズトロフィー 脊髄小脳変性症
9 プリオン病 脊柱管狭窄症
10 パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、 大脳皮質基底核変性症)及びパーキンソン病 (StageIII以上で生活機能障害度がII度またはIII 度) 早老症 (ウェルナー症候群等)
11 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オ リーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症 候群) 糖尿病性神経障害、 糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
12 亜急性硬化症全脳炎 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)
13 ライソゾーム病 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及 びパーキンソン病(StageIII以上で生活機能障害 度がII度またはIII度)
14 副腎白質ジストロフィー 閉塞性動脈硬化症
15 脊髄性筋 委縮症 慢性閉塞性肺疾患 (肺気腫、慢性気管支炎等)
16 球脊髄性筋委縮症 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴 う変形性関節症
17 慢性炎症性脱 髄性多発神経炎
18 後天性免疫不全症候群
19 頸髄損傷
20 人工呼吸器を使用している状態
ご年齢が若くても重症度の高い疾患の方は保険が対象となります。
ケア内容については以前記載しましたコラムをご参照ください。

自費でのご利用の場合、制限がありませんので、医師の指示があれば自宅以外の移動や旅行同行が可能となります。
様々なご希望を叶えられるように、ご家族やご本人のご希望に応じて訪問看護、訪問リハビリは実施しています。
具体的な自費対応での利用について、次回コラムにしたいと思います。
次回もお付き合いの程、宜しくお願いいたします。
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